花火大会5

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エノモトです。

幾度かあったトリプル台風も過ぎ、心なしか秋の風を感じれるようになってきた今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。

まだまだ日中の陽の下ではうだるような暑さを感じさせられますが、陽が落ちさえすればエアコンを付けずとも窓を開けているだけで過ごせるようになってきました。街中で見かける新商品の看板でも「芋・栗・かぼちゃ」と秋における三種の神器が目立ち始め、季節の移り変わりを知ります。

私事ではありますが秋が一番好きな季節ですので、こうした小さい秋をみつけるだけで心が躍ります。

さて今回のお題は「花火大会」です。

先に執筆された四者の方がきちんと忠実に沿っている中で、大変心苦しいのですがお題から少し逸れた「花火」として今回は語らせていただきたく思います。実は花火を主体としたお祭りには行ったことがなく…ですが、その中で一番印象に残っている思い出を紹介致しますね。

5月頃に高校の修学旅行でオーストラリアに行きました。その初日の夜の事です。

初めて訪れる異国の地で夕食を食べ終わり、さあホテルに向かおうとぞろぞろと集団で夜の街を歩いていました。

全て新鮮に見えて輝かしく見えたオペラハウス率いる白い街並みと海が、夜に沈み陰った姿を見ていると言いようもない不安が胸に占めたことを思い出します。

上手く表現することができないのですが、遊園地で遊んで帰り際に感じる「楽しさを失う」事への忌避感に近いでしょうか。魔法が解けてしまって憧れの場がその個性を失って他の没個性的な物と同一になる侘しさが、周りに人がいるのに取り残されてしまったかのような恐怖を助長させるのでしょうね。

見慣れた景色の夜を眺めるのは何も思わないのですが、特にその時は昼間との落差が激しい観光地で多少の街灯はあるものの足を進める速度がどんどん速くなっていきました。

ドンッ!とそれを止めるように大きな音が鳴り響き暖かな光が空を染めた瞬間が、脳裏に焼き付いて離れません。

集団を先導していた先生達も初めて知った様子で、花火が揚がることを知らなかったようでした。若しかしたら丁度花火大会が開催されていたのかもしれないですね。それ程に空へ大輪の火薬の花が咲いていきました。花火によって夜と混ざった街並みが輪郭を強調させられて、夜から切り離してくれました。

昼の時と同じか上回るほどの輝きに魅入られ、持っていたインスタントカメラでその輝きを閉じ込めようと懸命に指を動かしました。持ってきたインスタントカメラ2個のうち1つのフィルムを使い切ってしまい、この後の残る3日の写真は節約を余儀なくされましたが後悔はありませんでした。

日本に帰って現像した写真の大半がスモークのかかった白いものと変わり果ててしまっていましたが、本当です。花火って写真に撮りづらいですよね…

アイキャッチ画像には、その4年後くらいに自分で撮影した花火の写真を設定させていただきました。最近のスマートフォンは花火もそれなりに綺麗に取れて本当にすごいですね。

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